有名曲<アルファボイス流>ボイトレ徹底解説~2項目目~
まず、アルファボイスの大きな特徴の一つに「評価シート」というものがあります。入会されて一回目(初回)のレッスンの際に発声に関する10項目(高音、低音、音感、リズム感、呼吸、裏声の共鳴、地・裏切り替え、持久力、歌唱技術、経験)を項目ごとに測定をします。
測定した結果や生徒様の目標を見て、1年後どのレベルまで向上する見込みがあるか(又はどこまで向上できれば目標に近づけるか)を予測して発声項目ごとに目標を掲げます。
3カ月に一度、再度測定をして3カ月前の発声からどう変わったのかを実感できたり、入会して1年後の目標に対して次はどこを伸ばすべきかも評価シートを見て講師と一緒に話し合って頂きますのでしっかり計画と目標を持ってボイトレを行うのでレッスンの楽しさが倍増するのも評価シートのいいところです!(1年間絶対通わなければならないということではないのでご安心ください。
さて、このブログでは評価シートの10項目が歌にどう関係しているのかを項目ごとに解説していこうと思います。
今回の解説曲
男性曲:「奏」/スキマスイッチ
女性曲:「三日月」/絢 香
この2曲は生徒様の中でもかなり人気が高い曲ですが、なかなかうまく歌えないという声を多く聞きます。しかし!この2曲はポイントを一つずつ抑えていくだけで比較的すぐに歌えるようになる曲なのでオススメです!
【2】低音
低音は女性だと苦手な方が多いかもしれません。しかし、ここで言う「低音」は単純に低い声が出せればいいということだけではなく、声の深みや地声の安定感にも繋がってくることなので男性の方も必見です。また、高い声はこの低音がしっかりできている人とできていない人とではボイトレの大きく関わってくるので高音を出したい方こそ低音の練習をしっかりするべきです!
皆さん「喉を開けて歌う」という言い回しを良く聞くと思いますが、実際の意味や方法を理解されていない方がほとんどです。それもそのはず、目に見えないし手も突っ込めない部分のお話しなので「喉を開きなさい」なんて言われてもさっぱりだと思います。
でもご安心ください。きっと皆さん1日1回以上は「喉を開く」行動(しぐさ)をとっています。知っている方もいるかもしれませんがそれはあくびです。あくびをしたことがある=喉を開けたことがある ですので、あくび経験者は次についてきてください。
それでは「喉を開けて歌う」ことと「低音」はどういう関係があるか説明していきます。
分かりやすいのはアルファボイス講師や歌が上手な方のお手本を生で見るのが分かりやすいのですが、まずは基礎練習を踏まえて解説していきます。
自分の喉ぼとけ軽く触れながら(触れるのは確認のためなので強く押したり、手に力はいれないでください)「ま」で少し高めの声からゆっくり低い声を出してみましょう。その時に喉ぼとけが下に下がっていくと思います。男性だとわかりやすいのですが女性は喉ぼとけが出ていないので触るより鏡で喉ぼとけを見る方がわかりやすいかもしれません。
下がらないという方は下記ポイントを確認してください。
・裏声で声を出していないか
・無理やり低い声を出そうとしていないか(ため息をつくように脱力して低めの声を出してみてください)
下がったという方はさらに正しい発声に近づけるために下記ポイントに注意してください。
・ベロが口の奥にいっていないか(ベロの先端を下の歯の裏につけっぱなしで声を出しましょう。)
・口が横に広がっていないか(横に広げると首の側面に力が入ってしまうのでアヒル口をしながら縦に口を開いてみてください。
そうです。低い声を出す時は喉ぼとけが下がるのです。というより、喉ぼとけを下げないと低音は出しにくいものなのです。
それでは喉ぼとけを下げる感覚をつかめた方はさっそく曲で応用してみましょう!
今回は両方の曲の低めのフレーズで見ていきます。
「奏」Aメロ (いつも~のざ~わめ~き~ あた~ら~しい~か~ぜ~)
「三日月」Bメロ (今にも泣き出しそうな空見上げて….あ~な~た~をお~もった~)
赤い文字で書かれているところで喉ぼとけを下げてみてください。(難しい方は力を抜いて溜息をつきながら歌うようにしてみてください。低音が安定するはずです。
いきなり曲のリズムで応用するのは難しいのでカラオケ等でテンポ(曲のスピード)を遅くしてゆっくりしっかり練習しましょう!
さて、ここからは上級者向けのお話ですが、「【2】低音」の冒頭で書いた「高音での深み」についてです。喉ぼとけを下げると低い声が安定することはわかりましたが、単に低い音だけに使う発声法ではないのです。
声には 頭声(ヘッドボイス)・中声(ミドルボイス)・胸声(チェストボイス) という3つの発声があります。
頭声(ヘッドボイス):「1.高音」で説明した眉毛を上げた発声法のことです。頭声を使うと高い声が出しやすく声がクリアになります。なので高い声用の発声が頭声です。
中声(ミドルボイス):これは普段喋っている声の高さでよく使われている発声法です。といっても人それぞれ話す声の高さは違うのですが、3メートルくらい先の人に話しかける声だと思ってください。あまり意識しなくても大抵の方はこの発声法に近い声で普段会話しています。
胸声(チェストボイス):この発声こそ今回練習した喉ぼとけが大きく関わる発声になります。この発声は低い音を出しやすくなる効果がありますが、そこそこ高い音で喉ぼとけを下げるとどうなるか。上級者はやってみると実感すると思いますが、声が太くなり、オペラみたいな声になります。逆に喉ぼとけを上げていくと声が明るく若々しい声になります。つまり、喉ぼとけの位置で声の印象を変えることができるのです!ただ、高音で喉ぼとけを下げようとすると力みすぎて声が裏返ったり変な発声をしてしまって喉を傷めてしまう可能性もあるので無理のない高さで練習するか、できる人に見てみらいながら練習するのが安心です。
余談ですがアルファボイスボーカルスクールの生徒様の中には声優志望の方が比較的多く通って頂けている理由の一つがこの発声をマスターするためだと言っても過言ではありません。もし普段喋っている地声にコンプレックスがある方は喉ぼとけの位置を変えてみてください。
例えば「普段の会話が暗く感じられて印象が悪い」「電話等で感じの悪い印象を与えてしまう」という方は喉ぼとけが下がりすぎていないか注意してみてください!(←意識して直せるのはかなり練習した方ですが…笑)
また、声の深みは喉ぼとけを下げることも大きなポイントの一つですが「息を声に混ぜる」ことができるとさらに癒しの声になります。そちらは「【5】呼吸」でお話しするのでお楽しみに!
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